IT導入補助金2023のA類型・B類型(通常枠)についてを徹底解説
※注意:弊社はIT導入補助金デジタル化基盤導入類型(ECサイト制作)に関するIT導入補助金支援事業者です。IT導入補助金を行っている事務局ではありません。また、通常枠のITツールはございませんので、お問い合わせは他社様にお願いいたします。IT導入補助金の制度に関する質問やソフトウェアやテレワークなどにIT導入補助金を導入されたい方は直接「事務局」へお問い合わせ下さい。
2023年度IT導入補助金には、通常枠としてA類型・B類型が存在しています。働き方改革、被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイスの導入などの今後複数年に渡り変更される制度に対応するために、ITツール導入を促し、その事業費等の経費の一部を補助等することで、生産性向上を図ることを目的としています。
今回は、そんなIT導入補助金の通常枠であるA類型とB類型について詳しくご紹介いたします。ECサイト制作などの非対面化ツールの導入やテレワーク環境の整備を目的としてITツールの導入は特別枠対象枠であるC類型・D類型が対象枠となりますので、ご注意ください。
目次
IT導入補助金 A類型・B類型とは
A類型・B類型とは、IT導入補助金の通常枠として存在する対象枠です。IT導入補助金の補助対象として認められる(C類型・D類型含む)には、大分類Ⅰソフトウェア、大分類Ⅱオプション、大分類Ⅲ役務のいずれかに該当しておかなければなりません。
大分類Ⅰソフトウェア
カテゴリー1 単体ソフトウェア
カテゴリー2 連携型ソフトウェア(C類型・D類型申請用)
大分類Ⅱオプション
カテゴリー3 拡張機能
カテゴリー4 データ連携ツール
カテゴリー5 セキュリティ
大分類Ⅱ役務
カテゴリー6 導入コンサルティング
カテゴリー7 導入設定・マニュアル作成・導入研修
カテゴリー8 保守サポート
カテゴリー9 ハードウェアレンタル(C類型・D類型申請用)
また、カテゴリー1・2に設定されたプロセス「P-01~汎P-07」を必ず2種類以上含んでいる必要があります。そのプロセスとは以下の通りです。
- ・顧客対応・販売支援(共P-01)
- ・決済・債権債務・資金回収管理(共P-02)
- ・調達・供給・在庫・物流(共P-03)
- ・会計・財務・経営(共P-04)
- ・総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス(共P-05)
- ・業種固有プロセス(各業種P-06)
- ・汎用・自動化・分析ツール(汎P-07)
A類型の補助を受けるためには
A類型の補助を受けるためには、共P-01~各業種P-06のうち必ず1つ以上の業務プロセスを担うソフトウェアである必要があります。また、補助金額が30万円以上、150万円未満であることが条件です。
B類型の補助を受けるためには
B類型の補助を受けるためには、共P-01~汎P-07のうち、必ず4つ以上のプロセスを担うソフトウェアである必要があります。また、補助金額が150万円以上、450万円以内であることが条件です。
なお、B類型の要件を満たしていても、補助金額150万円を下回る場合はA類型として申請を行いますので、ご注意ください。
また、IT導入補助金採択後の事業実施効果報告については2023年から2025年の3回とされています。
IT導入補助金2023 A類型・B類型の公募要領
次にA類型・B類型の公募要領について詳しくご紹介いたします。
ITツールの定義について
IT導入補助金A類型・B類型におけるITツールの定義は、補助事業者の労働生産性向上に貢献する①ソフトウェア、②オプション、③役務の3つからなります。いずれかに該当しない場合は、ITツールとして認められておりません。
なお、ITツールについてはIT導入支援事業者(ITツール提供企業)が登録したITツールから選択する必要があります。登録されていないITツールはIT導入補助金の補助対象外となりますので、ご注意下さい。
補助対象となる事業
生産活動に資する事業を行っている中小企業及び小規模事業者等が補助対象となります。自社の強みや弱みを認識、分析し、生産性向上のためのプロセスの改善と効率化を目的とし、事務局に事前に登録されているITツールを導入する事業者に対して、導入するITツールの費用の一部を補助します。
何のためにITツールを導入するのかを明確になっておらず、なんとなくでITツールを導入する場合、事務局の審査に通らないこともあります。ITツールでどのようなことを解決し、生産性向上を目指したいのかを明確にしておきましょう。
申請の対象となる事業者及び申請の要件
IT導入補助金申請の対象となる中小企業・小規模事業者等は、以下のとおりです。
中小企業等の定義
小規模事業者の定義
申請要件
申請要件については以下の通りです。
- ・日本国内で法人登記されており、日本国内で事業を営む法人又は日本国内で事業を営む個人
- ・交付申請の直近月において、申請者が営む事業場内の最低賃金が法令上の地域別最低賃金以上であること
- ・gBizID プライムを取得していること
- ・「SECURITY ACTION」の「★ 一つ星」または「★★ 二つ星」いずれかの宣言を行うこと
- ・「SECURITY ACTION」に関して事務局が一部の交付申請情報を独立行政法人情報処理推進機構(IPA)と共有することに同意すること
- ・「みらデジ」の「経営チェック」を行う
- ・申請に必要な書類を事務局に提出すること
- ・1申請事業者に対して、申請事業者が監理している携帯電話番号を登録すること
- ・補助事業を実施することによる労働生産性の伸び率の向上について、1年後の伸び率が3%以上、3年後の伸び率が9%以上及びこれらと同等以上の、数値目標を作成すること
- ・生産性向上に係る情報を事務局に報告すること
- ・事務局に提出した情報については目的の範囲であれば事務局が使用しても良いこと
- ・事例の調査協力については、特段の事情がない限り協力をすること
- ・申請マイページ情報を第三者に渡さずにしっかり管理すること
- ・訴訟や法令遵守上において、補助事業の遂行に支障をきたすような問題を抱えていないこと
- ・申請の対象外となる事業者でないこと
- ・事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加(※)
- ・事業計画期間において、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にする(※)
※A類型は対象外
補助対象経費の内容と、補助対象となるITツールの分類・要件
ここでは補助対象となる経費とITツールの分類・要件について詳しく解説いたします。
補助対象経費
補助対象経費は、IT導入支援事業者が事前に事務局に登録しているITツールを導入する際に掛かる費用が対象となります。なので、事務局に登録されていないITツールに関しては補助対象外となりますのでご注意ください。
補助対象となるITツールの分類
IT導入補助金制度の対象となるITツールは大分類Ⅰソフトウェア、大分類Ⅱオプション、大分類Ⅲ役務の3つのいずれかに分類されるITツールです。各大分類内にはカテゴリーが存在しています。
交付申請を行う際に必要となるITツールの要件
大分類Ⅰソフトウェアのカテゴリー1に設定されているプロセス共P-01~各業種P-06のうち必ず1つ以上の業務プロセスを担うソフトウェアである必要があります。
また。大分類Ⅱオプションと大分類Ⅲ役務の導入にかかる各経費も合わせて補助対象経費として申請する場合も、大分類Ⅰソフトウェアのカテゴリー1に設定されているプロセス共P-01~各業種P-06を1つ以上含んでおく必要があります。
申請類型
申請類型についてはA類型とB類型がございます。それぞれの申請類型の要件については以下の通りです。
IT導入補助金のA類型・B類型とC類型とD類型の違いについて
IT導入補助金にはA類型、B類型以外にも、低感染リスク型ビジネス枠(特別枠)C類型、D類型がございます。2020年度のIT導入補助金から特別に追加された対象枠となっており、昨今のコロナ禍に対応したビジネスモデルへの転換を目的に、生産性の向上や非対面化を行う企業に対して補助する枠となっています。
A類型・B類型について
A類型・B類型の補助金額はA類型が30万~150万未満、B類型が150万~450万以下で補助率は2分の1です。非対面化ツールである必要はありません。また、補助対象はソフトウェア購入費用及び関連オプションのみとなり、レンタル費用は補助対象外となります。補助対象経費の考え方としては、交付決定日以降にITツールの契約・納品・支払いが行われているものに限ります。導入ツール要件は労働生産性の向上に貢献するITツールであることが前提となります。
IT導入補助金2023A類型・B類型 申請スケジュール
2023年度のIT導入補助金通常枠のスケジュールです。一部終了している募集もあります。
1次募集 | 締切日 | |
---|---|---|
交付決定日 | ||
2次募集 | 締切日 | |
交付決定日 | ||
3次募集 | 締切日 | |
交付決定日 | ||
4次募集 | 締切日 | |
交付決定日 | 9月8日(木)(予定) | |
5次募集 | 締切日 | 9月5日(月)17:00(予定) |
交付決定日 | 10月6日(木)(予定) | |
6次募集 | 締切日 | 10月3日(月)17:00(予定) |
交付決定日 | 11月4日(金)(予定) |
IT導入補助金2023A類型・B類型の申請の流れ
IT導入補助金申請の流れは以下の通りです。
- ①導入するITツール及びIT導入支援事業者を選定する
- ②gBbizIDを取得する
- ③「SECURITY ACTION」の実施
- ④「みらデジ」の「経営チェック」を行う
- ⑤交付申請(IT導入支援事業者との共同作成・提出)
- ⑥ITツールの発注・契約・支払い(補助事業の実施)
- ⑦事業実績報告
- ⑧補助金交付手続き
- ⑨事業実施効果報告
詳しい流れについては、「【2021年度版】IT導入補助金とは?ECサイト制作なら最大450万円補助のC類型・D類型」で紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
IT導入補助金2023A類型・B類型の審査内容
IT導入補助金2023A類型・B類型の審査内容は、学識有識者を含む関係分野の専門家で構成された外部審査委員会において、以下の項目について審査を行い、事務局は補助事業者の採択・交付決定しています。また、原則として提出された書類より審査しているため、必要書類が抜け漏れていないか、記入漏れがないかなど提出前に必ずチェックすることをおすすめいたします。
事業面からの審査項目
事業面からの審査項目は以下の通りです。
- ・自社の経営課題を理解し、経営改善に向けた具体的な問題意識を持っているか
- ・自社の状況や課題分析及び将来計画に対し、改善すべきプロセスが、導入する「ITツール」の機能により期待される導入効果とマッチしているか
- ・内部プロセスの高度化、効率化及びデータ連携による社内横断的なデータ共有・分析等を取り入れ、継続的な生産性向上と事業の成長に取り組んでいるか 等
- ・労働生産性の向上率
政策面からの審査項目
政策面からの審査項目は以下の通りです。
- ・生産性の向上及び働き方改革を視野に入れ、国の推進する関連事業に取り組んでいるか
- ・国が推進する「クラウド導入」に取り組んでいるか
- ・インボイス制度の導入に取り組んでいるか
- ・賃上げ目標に取り組んでいるか(※)
(※)A類型は加点項目となりますが、B類型は必須項目扱いとなっています。
加点項目及び減点措置について
IT導入補助金には加点項目と言われるものがあります。事務局が指定した加点項目をクリアしておくと、IT導入補助金の採択される可能性が高くなります。以下の項目が加点項目となります。
- ・地域未来投資促進法の地域経済牽引事業計画の承認を取得している
- ・交付申請時点で地域未来牽引企業に選定されており、地域未来牽引企業としての「目標」を経済産業省に提出していること
- ・導入するITツールとしてクラウド製品を選定していること
- ・導入するITツールとしてインボイス制度対応製品を選定していること
- ・賃上げ目標の事業計画を策定し、従業員に表明していること
一方、申請時点において、過去3年間に、類似の補助金や令和元年、令和2年の上IT導入支援事業の交付を受けた事業者は審査上、減点措置がされますので、ご注意ください。
交付決定後から事業実施期間中に行うこと
IT導入補助金の交付が決定されましたら、以下のことを行います。
契約・導入・支払いについて
IT導入補助金の交付が決定されましたら、ITツール支援事業者が提供しているITツールと契約をし、導入を進めていきます。納品日や納品内容、導入開始日が間違っていないかを納品の際に確認をします。また、請求書の支払いが完了したことがわかる証拠となるものは大切に保管し、事業実績報告時に提出します。
事業実績報告について
補助事業者とIT導入支援事業者にて、事業実績報告を行わなければなりません。事業実績報告時には以下の証憑類等を提出する必要があるため、適切に保管しておいてください。また、以下の方法以外での支払い方法では認められないためご注意ください
銀行振込の場合
- ・請求金額、請求明細のわかる資料
- ・振込明細書
- ・利用明細書
- ・ネットバンキングの取引終了画面
- ・通帳の表紙と取引該当ページ
クレジットカードの場合
- ・請求金額、請求明細のわかる資料
- ・クレジットカード会社発行の取引明細
補助金交付の際に使用する口座の情報がわかるもの
- ・補助金の交付を受ける金融機関口座の通帳表紙+表紙裏面
- ・補助金の交付を受ける口座は、日本国内のものに限る
事業実施効果報告について
事業終了後、生産性向上に係る数値目標に関する情報(売上、原価、従業員数及び就業時間等)及び給与支給総額・事業場内最低賃金等を効果報告期間内に報告しなければなりません。
まとめ
IT導入補助金のA類型・B類型の公募要領から特別枠(C類型・D類型)との相違点や申請スケジュール、審査内容、交付後の事業実施期間中に行うことなどをまとめましたがいかがでしたでしょうか。
IT導入補助金を申請するには申請要件を満たしておく必要があり、さらに申請に必要な書類をいくつか用意しなければなりません。やや煩雑な作業となりますが、IT導入補助金の交付が決まれば、業務の効率化や売上アップにつながることは間違いないでしょう。
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